指でなぞるという事

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https://ms.citizen.jp/assets/076_10-08_フルメタル電波_01

 時計を上から見るとわかりますが、ケース、バンドがフルフローのデザインでまとまっており、バンドのラインが滑らかにケースのラインへと繋がっています。いわゆる4 本足のケースではなく、メタルバンド専用のケースです。このことにより、流れるような表現が可能となっています。
 ケース、バンドがそれぞれ違う趣で個性を主張するのではなく、一体となって一つの外装としての個性を表現しています。ベゼルも細縁で、あえて装飾は施していません。ゆえに文字板の情報を最大限伝えることが出来ています。また、時計を横から見た時にも流れるようなラインで構成されていることがわかります。ベゼルの高さも抑えられており、大きな段差もないため流れを遮っていません。
 ケース、バンドの3 時- 9 時断面はなだらかな山形状となっています。バンドに関しては中駒を一段低くすることにより、厚さを感じさせません。このような形状により、視覚的にも物理的にも腕への高い装着感が実現できています。
 このデザインの持つ滑らかな繋がり。時々表面を指でなぞってその抵抗のなさを楽しみたくなります。“時計を身に着けるとはどういうことか”という問いかけに対する一つの答えがここにあります。

076_10-08_フルメタル電波_02バンドからケースにかけての流れる外径ラインとケース2時から3時にふくらみ、4時のプッシュボタンまで覆う機能ある形状で軽やかさと高い装着感を実現。

076_10-08_フルメタル電波_03バンド、ケース、ベゼル、ガラスそれぞれの上面の段差が少ない形状と、45度で半固定の先カン構造により、腕へのフィット感が増しています。

076_10-08_フルメタル電波_04りゅうずを覆い隠すようなガード。電波時計には“りゅうずを使った通常時刻合わせは不要”というメッセージが伝わってくるかのよう。

076_10-08_フルメタル電波_07ケースのカン上部から、エンドピース、バンド上面へと連続する3 時 - 9 時方向の上面アール。腕へのなじみの良さを強めている。

076_10-08_フルメタル電波_08バンド上面からケースのカン上部へは12 時 - 6 時方向に流れるようなラインが走り、ケース、バンドに自然なつながりを持たている。

076_10-08_フルメタル電波_05別体3列による精緻な構成。3時 - 9時上面アールで柔らかさを感じさせながら、中駒を一段低くすることで全体の実厚さを抑え、スリムなイメージを伝えています。

076_10-08_フルメタル電波_06黒旭光ベースに全面ハニカムパターン印刷。時字とベースのコントラストの強さにより、視認性が非常に高い。

076_10-08_フルメタル電波_09思わず触れたくなる、滑らかな面構成で成立している。着け心地、フィット感を追求したデザインとなっている。

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レトロフューチャー

 70 年代、時刻表示の新しい表示方式であるデジタル表示が開発されました。それは当時、近未来時計への期待を感じさせる表示機能でした。  この時計はデジタル表示の有効性を活かし、カリキュレーター(電卓)機能を初めて腕時計に追加するという発想のもとデザインされました。  時計と電卓機能の共有化を成し遂げた国産初の腕時計は、中央に表示モニター/外周に放射状に23 個のプッシュボタンを配置するという個性的なデザインスタイルで表現されています。腕時計のケースの基本である丸形状での表現をやり遂げたことが腕時計デザイナーならではの発想だと感じます。  15 度刻みに配置されたプッシュボタンの人工的な輝き。ケースとバンドの凹凸の無いシンプルなライン。これらは従来の挽き加工によるものであり、厚みのあるケースとクールなデジタル表示の組合せは新旧技術のアンバランスなレトロフューチャー感を生み出しています。  加えてこの初期モデルは金色で統一され、外装には各部材に異なる質感を持つ金色を巧みに使い分け、派手な色調にも関わらず品のある趣を醸しだしています。  特徴のある操作ボタンのレイアウトはスタンダードとはなりませんでしたが、先陣を切ったカッコよさ、誇りを感じさせます。

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