Radio-Controlled

ATTESA

https://ms.citizen.jp/assets/ATD53-2611
デザイナー
榎本 信一
発売年
2003
12のカテゴリー
10/新しいことへの挑戦
解説

Turning Point

世界初のフルメタル外装によるアンテナ内蔵式電波時計という画期的なモデルです。社運を賭けた一大プロジェクトであり、デザイン開発においても何度も試作を繰り返し行いました。当時の事業部長から何度もやり直しを命じられたのを思い出します。何度も生産現場の方と打合せを行い、「美しく仕上げるには、どういうデザインをすれば良いのか?」という事を実感させられたモデルです。発売時には新聞の全面広告などを実施し、大ヒット商品になりました。この時の経験が、現在の自分の時計デザインの転換点だったのは間違いないと思っています。

商品コード
ATD53-2611
CAL.
H410
ウオッチタイプ
エコ・ドライブ電波時計
ケース素材
チタニウム

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指でなぞるという事

 時計を上から見るとわかりますが、ケース、バンドがフルフローのデザインでまとまっており、バンドのラインが滑らかにケースのラインへと繋がっています。いわゆる4 本足のケースではなく、メタルバンド専用のケースです。このことにより、流れるような表現が可能となっています。  ケース、バンドがそれぞれ違う趣で個性を主張するのではなく、一体となって一つの外装としての個性を表現しています。ベゼルも細縁で、あえて装飾は施していません。ゆえに文字板の情報を最大限伝えることが出来ています。また、時計を横から見た時にも流れるようなラインで構成されていることがわかります。ベゼルの高さも抑えられており、大きな段差もないため流れを遮っていません。  ケース、バンドの3 時- 9 時断面はなだらかな山形状となっています。バンドに関しては中駒を一段低くすることにより、厚さを感じさせません。このような形状により、視覚的にも物理的にも腕への高い装着感が実現できています。  このデザインの持つ滑らかな繋がり。時々表面を指でなぞってその抵抗のなさを楽しみたくなります。“時計を身に着けるとはどういうことか”という問いかけに対する一つの答えがここにあります。