指でなぞるという事
時計を上から見るとわかりますが、ケース、バンドがフルフローのデザインでまとまっており、バンドのラインが滑らかにケースのラインへと繋がっています。いわゆる4 本足のケースではなく、メタルバンド専用のケースです。このことにより、流れるような表現が可能となっています。
ケース、バンドがそれぞれ違う趣で個性を主張するのではなく、一体となって一つの外装としての個性を表現しています。ベゼルも細縁で、あえて装飾は施していません。ゆえに文字板の情報を最大限伝えることが出来ています。また、時計を横から見た時にも流れるようなラインで構成されていることがわかります。ベゼルの高さも抑えられており、大きな段差もないため流れを遮っていません。
ケース、バンドの3 時- 9 時断面はなだらかな山形状となっています。バンドに関しては中駒を一段低くすることにより、厚さを感じさせません。このような形状により、視覚的にも物理的にも腕への高い装着感が実現できています。
このデザインの持つ滑らかな繋がり。時々表面を指でなぞってその抵抗のなさを楽しみたくなります。“時計を身に着けるとはどういうことか”という問いかけに対する一つの答えがここにあります。