かきたてる

PROMASTER AQUALAND

https://ms.citizen.jp/assets/066_08-04_マンボーダイバー_01

 左右非対称なシルエットがもつ強烈なインパクトは、「手にとってみたい」という衝動をかきたてます。文字板に大きく配された深度計と9 時位置のセンサーは、「実際に海に潜ったら…?」という想像をかきたて、それらが結果として「欲しい」という気持ちをかきたてます。
 本モデルは、そうしたユーザーの潜在意識を「かきたてる」と同時に、しっかりとその気持ちを受け止める機能性を有しています。腕時計に限らずどんな製品にも言えることですが、機能性だけを単純に追求していった場合、無味乾燥かつ没個性なモノが生まれてしまう可能性が存在します。本モデルは、ISO/JIS 規格や海中での視認性等といった様々な制約がある中で、機能性とアイコニックな外観の両立を見事に果たしていると言えます。
 「マンボウダイバー」という通称が示すとおり、シルエットだけでそれと判別できるインパクトのある外観を備えながら、ダイバーズウオッチとしての機能は一切損なわれていません。実用性と魅力的でユニークな外観の両立という、真にデザイナーに求められる役割を見事に体現したモデルだと言えます。

066_08-04_マンボーダイバー_02世界初の光発電方式の水深計ログメモリ付きダイバーズウオッチ。通称「マンボウダイバー」の名が現す通りの独特のシルエット。

066_08-04_マンボーダイバー_03水深計は9時側、液晶は3時側を使うことで機能表示を左右にわかりやすく独立させています。沢山の情報がわかりやすく整理されたレイアウト。

066_08-04_マンボーダイバー_06分針・水深計はまばゆいオレンジ塗装が施されており、ダイビング中に最も重要な項目である分表示と水深を優先しています。

066_08-04_マンボーダイバー_07水深計の文字背景は全面夜光となっています。夜間・水中でも視認性を確保するための工夫の一つ。

066_08-04_マンボーダイバー_04ケースは全てヘアラインで構成されており、統一感があって無駄のない印象。DLCを施したベゼルの黒にミラーの飾りピンがコントラストを効かせ、締まったイメージに。

066_08-04_マンボーダイバー_05ABS 製のプッシュボタン。ケースサイドの滑らかなラインと同調しつつ、線状の突起を設けることプッシュボタンとしての機能性も主張しています。

066_08-04_マンボーダイバー_08全体的に丸みを帯びたスムーズなケース形状の中で、唯一主張が強いのが圧力センサー。ケース上面から大きくせり出すことで抑揚を与えているとともに、ダイバーズウオッチであることを主張しています。

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レトロフューチャー

 70 年代、時刻表示の新しい表示方式であるデジタル表示が開発されました。それは当時、近未来時計への期待を感じさせる表示機能でした。  この時計はデジタル表示の有効性を活かし、カリキュレーター(電卓)機能を初めて腕時計に追加するという発想のもとデザインされました。  時計と電卓機能の共有化を成し遂げた国産初の腕時計は、中央に表示モニター/外周に放射状に23 個のプッシュボタンを配置するという個性的なデザインスタイルで表現されています。腕時計のケースの基本である丸形状での表現をやり遂げたことが腕時計デザイナーならではの発想だと感じます。  15 度刻みに配置されたプッシュボタンの人工的な輝き。ケースとバンドの凹凸の無いシンプルなライン。これらは従来の挽き加工によるものであり、厚みのあるケースとクールなデジタル表示の組合せは新旧技術のアンバランスなレトロフューチャー感を生み出しています。  加えてこの初期モデルは金色で統一され、外装には各部材に異なる質感を持つ金色を巧みに使い分け、派手な色調にも関わらず品のある趣を醸しだしています。  特徴のある操作ボタンのレイアウトはスタンダードとはなりませんでしたが、先陣を切ったカッコよさ、誇りを感じさせます。

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光を感じる時計

 漆玉、ダイヤモンド、スモークガラス。それぞれの光の反射が、光源や時刻によっても違った表情を見せる奥行きのあるモデルです。ケース形状や文字板デザインがシンプルだからこそ、ディテールの美しさが映え、機械的な時ではなく、光が映し出すゆるやかな時を感じることができます。  文字板に時字はないものの、時分針は見やすく、時計としての機能を併せ持つブレスレットという印象です。  また、漆をいわゆる伝統的な見せ方ではなく、モダンなデザインで時計と融合させており、伝統技術の現代的な表現も楽しむことができます。  アシンメトリーな形状ながらも着けやすく、モダンなジュエリーを身につけているような特別感があります。

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自然の生命

 CITIZEN L には自然の中にある形状や光にインスパイアされたデザインテーマが多く、本モデルも「朝露」がテーマになっています。  ケース上の3 粒のダイヤがケースカーブに沿ってサラサラと滑らかに動き、時字が文字板上に散るように配置されている様子が、何も知らずにこの時計を見たとしても、自然の情景を思い起こさせるようなストーリーが秘められているデザインです。  パーツを見ていくと、文字板パターンや時字の配置、りゅうず位置、ケース形状など非対称な部分が多いにも関わらず、それぞれが均整の取れた位置に収まっているため、違和感や着けづらさはありません。非対称なデザインによって、自然の生命感を思わせるリズムや動きが生まれ、画一的な時間ではなく、ゆったりとした自然の時間を感じさせます。  ダイヤモンドが多く使われておりジュエリー感のある時計ですが、時字の配置やケースとバンドの隙間の取り方に抜け感があり、普段使いも可能なデザインテイストになっています。

https://ms.citizen.jp/assets/098_12-06_エクシード ユーロス_01

最小認知要素から 装飾するプロセス

 「バンド・針・丸」これは人々が腕時計と認知できる最小構成要素です。  ◆腕時計は、バンドがあっての“腕”時計である。  ◆腕時計は、針があっての腕“時計”である。  ◆時間は、繰り返される天体の周期(丸)から   作られた。  本モデルは、この3 つの要素に焦点を当てた「腕時計」のデザインのお手本のように思います。これらの3つの要素に豪華な装飾を施すことで、他の要素との主従関係をはっきりさせています。  ユーザーが求める「腕時計らしさ」と、ユーザーが満足する「装飾品としての美しさ」を兼ね備えた、全ての腕時計のお手本ではないでしょうか。