逆転の発想

Eco-Drive METAL

https://ms.citizen.jp/assets/054_06-12_リングソーラー_01

 ケース見返し面にソーラーセルが配置されるリングソーラーの構造上の制約を逆手に取り、ケース内側にまるで宙に浮いたようなリング形状を配置したモデル。
 内側の文字板と外側の別体リングをあたかも内外の高低差を付けた立体的な一枚文字板のように感じさせる視覚的な効果を生み出しています。文字板から外周別体リングにかけて同じ型打パターンを施し、時字を放射状に繋がるように配置していることも、より効果的に見せるのに重要な役割を果たしています。
 見切り径の制約から解放されたワイドオープニングのケースは、裏側を大胆に刈り上げることで、正面からの印象とは違った薄く見せる意外な効果を創り出すことに成功しています。

054_06-12_リングソーラー_02ケース内側に大胆に配置されたリングが強いアクセントとなり、リングを挟んで配置された時字が文字板の広がりを感じさせる効果を生んでいます。

054_06-12_リングソーラー_03正面からの印象とは異なり、ケース横からの見た目は非常に薄くデザイン上の工夫が見えます。

054_06-12_リングソーラー_04ケース内に宙に浮いたような存在感のあるリングが配置され、内側の文字板と外側の別体リングを視覚的に繋ぎ、見切り径の制約を感じさせない効果を生んでいます。

054_06-12_リングソーラー_05文字板と別体リングに同じ型打パターンを施し、時字を放射状に繋がるように配置することで、文字板を大きく見せています。

054_06-12_リングソーラー_06ツノ足先端部と一本足両側の三角形の組合せがシャープでモダンな味付けとなっています。

054_06-12_リングソーラー_07ケース裏側が大きく刈り上げられ、仕上げの効果と相まって横からの見た目が非常に薄く見えます。

054_06-12_リングソーラー_08ケースの内リング部を一段高くすることで、文字板と外周別体リングを一枚の文字板のように見せる視覚的な効果を生んでいます。

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レトロフューチャー

 70 年代、時刻表示の新しい表示方式であるデジタル表示が開発されました。それは当時、近未来時計への期待を感じさせる表示機能でした。  この時計はデジタル表示の有効性を活かし、カリキュレーター(電卓)機能を初めて腕時計に追加するという発想のもとデザインされました。  時計と電卓機能の共有化を成し遂げた国産初の腕時計は、中央に表示モニター/外周に放射状に23 個のプッシュボタンを配置するという個性的なデザインスタイルで表現されています。腕時計のケースの基本である丸形状での表現をやり遂げたことが腕時計デザイナーならではの発想だと感じます。  15 度刻みに配置されたプッシュボタンの人工的な輝き。ケースとバンドの凹凸の無いシンプルなライン。これらは従来の挽き加工によるものであり、厚みのあるケースとクールなデジタル表示の組合せは新旧技術のアンバランスなレトロフューチャー感を生み出しています。  加えてこの初期モデルは金色で統一され、外装には各部材に異なる質感を持つ金色を巧みに使い分け、派手な色調にも関わらず品のある趣を醸しだしています。  特徴のある操作ボタンのレイアウトはスタンダードとはなりませんでしたが、先陣を切ったカッコよさ、誇りを感じさせます。

https://ms.citizen.jp/assets/100_12-08_L 漆玉_01

光を感じる時計

 漆玉、ダイヤモンド、スモークガラス。それぞれの光の反射が、光源や時刻によっても違った表情を見せる奥行きのあるモデルです。ケース形状や文字板デザインがシンプルだからこそ、ディテールの美しさが映え、機械的な時ではなく、光が映し出すゆるやかな時を感じることができます。  文字板に時字はないものの、時分針は見やすく、時計としての機能を併せ持つブレスレットという印象です。  また、漆をいわゆる伝統的な見せ方ではなく、モダンなデザインで時計と融合させており、伝統技術の現代的な表現も楽しむことができます。  アシンメトリーな形状ながらも着けやすく、モダンなジュエリーを身につけているような特別感があります。

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自然の生命

 CITIZEN L には自然の中にある形状や光にインスパイアされたデザインテーマが多く、本モデルも「朝露」がテーマになっています。  ケース上の3 粒のダイヤがケースカーブに沿ってサラサラと滑らかに動き、時字が文字板上に散るように配置されている様子が、何も知らずにこの時計を見たとしても、自然の情景を思い起こさせるようなストーリーが秘められているデザインです。  パーツを見ていくと、文字板パターンや時字の配置、りゅうず位置、ケース形状など非対称な部分が多いにも関わらず、それぞれが均整の取れた位置に収まっているため、違和感や着けづらさはありません。非対称なデザインによって、自然の生命感を思わせるリズムや動きが生まれ、画一的な時間ではなく、ゆったりとした自然の時間を感じさせます。  ダイヤモンドが多く使われておりジュエリー感のある時計ですが、時字の配置やケースとバンドの隙間の取り方に抜け感があり、普段使いも可能なデザインテイストになっています。

https://ms.citizen.jp/assets/098_12-06_エクシード ユーロス_01

最小認知要素から 装飾するプロセス

 「バンド・針・丸」これは人々が腕時計と認知できる最小構成要素です。  ◆腕時計は、バンドがあっての“腕”時計である。  ◆腕時計は、針があっての腕“時計”である。  ◆時間は、繰り返される天体の周期(丸)から   作られた。  本モデルは、この3 つの要素に焦点を当てた「腕時計」のデザインのお手本のように思います。これらの3つの要素に豪華な装飾を施すことで、他の要素との主従関係をはっきりさせています。  ユーザーが求める「腕時計らしさ」と、ユーザーが満足する「装飾品としての美しさ」を兼ね備えた、全ての腕時計のお手本ではないでしょうか。