Noboru Goto

DESIGNER

https://ms.citizen.jp/assets/noboru_goto
名前
後藤 昇
専門
プロダクトデザイン
地域
日本
経歴
OEMデザイン担当として、欧米各国の大手ウォッチブランドのデザイン開発を担当。海外駐在を機に、グローバルデザイン担当として、シチズンブランドの海外モデルデザインに携わる。
好きなこと
ドライブ・テニス・ビール
https://ms.citizen.jp/assets/020_03-02_サーモ_01

機能と意匠のハーモニー

体温と外気温の温度差によって発電する特殊な発電方式を具現化するために、ケース上胴には冷却し温度を下げるための形状的な工夫が施され、一方裏ぶたは体温を無駄なく受け取るために腕との密着性を高めるよう敢えて湾曲させるなど、機能面の効率を高めるための繊細な配慮が感じられます。 また、“「熱」により駆動する時計”という機能面を象徴的に表現するモチーフを意匠に巧みに織り交ぜながら、未来的な新しさを纏った洗練されたデザインに昇華されていることは特筆に値します。

https://ms.citizen.jp/assets/054_06-12_リングソーラー_01

逆転の発想

 ケース見返し面にソーラーセルが配置されるリングソーラーの構造上の制約を逆手に取り、ケース内側にまるで宙に浮いたようなリング形状を配置したモデル。  内側の文字板と外側の別体リングをあたかも内外の高低差を付けた立体的な一枚文字板のように感じさせる視覚的な効果を生み出しています。文字板から外周別体リングにかけて同じ型打パターンを施し、時字を放射状に繋がるように配置していることも、より効果的に見せるのに重要な役割を果たしています。  見切り径の制約から解放されたワイドオープニングのケースは、裏側を大胆に刈り上げることで、正面からの印象とは違った薄く見せる意外な効果を創り出すことに成功しています。

https://ms.citizen.jp/assets/090_11-13_プロマスター ランド_01

アンバランスな魅力

 本モデルは、必要最低限の要素で構成されたフィールドウオッチ調のベーシックモデルです。  ケース、文字板、りゅうず、革バンド。主要部品それぞれのデザインは、フィールドウオッチとしては極めて一般的な形状であり、ベーシックらしい組み合せで纏められています。  しかし、このモデルには特別な仕掛けが用意されています。幾つかのパーツの大きさが普通ではないのです。極端に幅が広いベゼル、不釣り合いな大きさの時字、大きく長過ぎるりゅうず、丸く大きなハトメ金具。通常よりもひと回り大きく、最初そのアンバランスさに違和感を覚えたほどです。  ところが、暫く眺めていると・・・ アンバランスだったパーツがそれぞれ共鳴し合い、魅力的で力強さを感じるデザインになっていることに気付かされるのです。