妥協のない職人のこだわり

AUTO DATER SEVEN

https://ms.citizen.jp/assets/043_06-01_オートデータ_01

 部品の一つ一つの形状・仕上げに気を配り、どれを取ってもそれぞれに職人のこだわりのようなものを感じる逸品です。
 時字の形状やカット面/曜日の窓枠の独特なデザイン/日表示の拡大レンズ/ロゴ・マークのフォント/レイアウト/切分印刷の幅や長さ/ケース本体とベゼルの割り位置/面の取り方/ボックス型のガラス… 全てにおいて、妥協した点が見当たりません。
 それら一つ一つを組み合わせ、腕時計という完成品になったとき、不思議と各々が主張し過ぎず、印象的で個性があるにも関わらず、何ともいえない上品さを醸し出しています。まさに匠の技です。

043_06-01_オートデータ_02全体的にすっきりとしていて上品な印象。

正面から見るより、ぷっくりとボリューム感があります。

043_06-01_オートデータ_03ラグの付け根(4ヶ所) がベゼルに半分、埋まりこんでいます。ケース本体とベゼルの分割線を見せることで、側面が厚く見えない工夫を施しています。ケース下部は微妙に逆アール面になっていて、光の反射により、全体的に厚みを感じません。どっしりとしたドーム状のガラスが、繊細ながらもダイナミックな印象。

043_06-01_オートデータ_06どっしりとしたドーム状のガラスが、繊細ながらもダイナミックな印象。

043_06-01_オートデータ_09斜めから見ると、各々の部品の細部にまで拘った形状が認識できます。

043_06-01_オートデータ_04文字板の中央部は球面形状になっていますが、外周には段差が設けられています。そこに1/2 秒切分を印刷することで、自動巻きムーブメントをデザインとして協調させながら、全体としてすっきりと引き締まった印象を与えています。文字板とボックスガラスとが相まって、味わい深い顔つき。

043_06-01_オートデータ_078 ヶ所の丸形状の時字は、高さがあり、上面は円錐カット。側面は逆テーパーカットになっているため、浮き出して見え、視認性にも寄与しています。

043_06-01_オートデータ_10日表示部分には、植字式の窓枠を使用することで、他の3ヶ所の棒インデックスとバランスを取っています。植字式の窓枠の外型もアール形状になっていて、何とも味わい深い雰囲気。ボックスガラスの下面(内面)にレンズを設け、日表示の視認性を高めています。ケースサイズの割には大き目のりゅうず。頻繁に使用するため、操作性を考慮しています。

043_06-01_オートデータ_05曜日を一番目立つ12 時位置に配することで、象徴的な顔(文字板) になっています。12 時の時字+曜日+レイアウトが一体となり、特徴的でバランスが取れています。植字式の窓枠も、個性あふれる形状になっていて、内側はその形状に沿ってカットされているため、曜表示が影になって読みにくくなることを防ぐ配慮がされています。

043_06-01_オートデータ_08インデックス上面のカーブカットとVカットの組み合わせで、光の反射でキラキラと輝きながらも、視認性の高いデザインに仕上げています。

043_06-01_オートデータ_11裏ぶたには、ヴィンテージ感のある魅力的な刻印が施されています。製造番号が限定のナンバーリングにも思えるほど、味わい深さがあります。

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レトロフューチャー

 70 年代、時刻表示の新しい表示方式であるデジタル表示が開発されました。それは当時、近未来時計への期待を感じさせる表示機能でした。  この時計はデジタル表示の有効性を活かし、カリキュレーター(電卓)機能を初めて腕時計に追加するという発想のもとデザインされました。  時計と電卓機能の共有化を成し遂げた国産初の腕時計は、中央に表示モニター/外周に放射状に23 個のプッシュボタンを配置するという個性的なデザインスタイルで表現されています。腕時計のケースの基本である丸形状での表現をやり遂げたことが腕時計デザイナーならではの発想だと感じます。  15 度刻みに配置されたプッシュボタンの人工的な輝き。ケースとバンドの凹凸の無いシンプルなライン。これらは従来の挽き加工によるものであり、厚みのあるケースとクールなデジタル表示の組合せは新旧技術のアンバランスなレトロフューチャー感を生み出しています。  加えてこの初期モデルは金色で統一され、外装には各部材に異なる質感を持つ金色を巧みに使い分け、派手な色調にも関わらず品のある趣を醸しだしています。  特徴のある操作ボタンのレイアウトはスタンダードとはなりませんでしたが、先陣を切ったカッコよさ、誇りを感じさせます。

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 漆玉、ダイヤモンド、スモークガラス。それぞれの光の反射が、光源や時刻によっても違った表情を見せる奥行きのあるモデルです。ケース形状や文字板デザインがシンプルだからこそ、ディテールの美しさが映え、機械的な時ではなく、光が映し出すゆるやかな時を感じることができます。  文字板に時字はないものの、時分針は見やすく、時計としての機能を併せ持つブレスレットという印象です。  また、漆をいわゆる伝統的な見せ方ではなく、モダンなデザインで時計と融合させており、伝統技術の現代的な表現も楽しむことができます。  アシンメトリーな形状ながらも着けやすく、モダンなジュエリーを身につけているような特別感があります。

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自然の生命

 CITIZEN L には自然の中にある形状や光にインスパイアされたデザインテーマが多く、本モデルも「朝露」がテーマになっています。  ケース上の3 粒のダイヤがケースカーブに沿ってサラサラと滑らかに動き、時字が文字板上に散るように配置されている様子が、何も知らずにこの時計を見たとしても、自然の情景を思い起こさせるようなストーリーが秘められているデザインです。  パーツを見ていくと、文字板パターンや時字の配置、りゅうず位置、ケース形状など非対称な部分が多いにも関わらず、それぞれが均整の取れた位置に収まっているため、違和感や着けづらさはありません。非対称なデザインによって、自然の生命感を思わせるリズムや動きが生まれ、画一的な時間ではなく、ゆったりとした自然の時間を感じさせます。  ダイヤモンドが多く使われておりジュエリー感のある時計ですが、時字の配置やケースとバンドの隙間の取り方に抜け感があり、普段使いも可能なデザインテイストになっています。

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最小認知要素から 装飾するプロセス

 「バンド・針・丸」これは人々が腕時計と認知できる最小構成要素です。  ◆腕時計は、バンドがあっての“腕”時計である。  ◆腕時計は、針があっての腕“時計”である。  ◆時間は、繰り返される天体の周期(丸)から   作られた。  本モデルは、この3 つの要素に焦点を当てた「腕時計」のデザインのお手本のように思います。これらの3つの要素に豪華な装飾を施すことで、他の要素との主従関係をはっきりさせています。  ユーザーが求める「腕時計らしさ」と、ユーザーが満足する「装飾品としての美しさ」を兼ね備えた、全ての腕時計のお手本ではないでしょうか。