かくし味

ATTESA DIRECT FLIGHT

https://ms.citizen.jp/assets/039_05-10_アテッサ 縦三つ目_01

 時計全体を構成するパーツを丁寧に見ていくと、様々な隠し味が潜んでいます。
 [文字板 - 時字]意外にも時字の色が黒。下地が黒文字板ということもあり外形が溶け込んでいます。しかし動かすと時字がキラキラと光り、質感がしっかりと伝わります。上面に施された白い夜光とのコントラストが大きくなり、直線的な顔のイメージへと繋がります。
 [文字板 - 印刷]白と銀の印刷を使い分けています。瞬時に理解するべき表示は白で強調され、補足となる内容は銀で表示されています。
 [文字板 - 格子状パターン]近くで見ないと確認できませんが、一度わかると顔の豊かさを演出していることに気が付きます。その繊細さからは、ハイテクで確かな時計という印象を受けます。
 [バンド]中駒と外駒の仕上げを縦ヘアラインと横ヘアラインにしています。同じアール形状ながらも仕上げを変えることで見え方が大きく違います。先カンのミラーパーツも相まって、オリジナリティを感じさせます。
 様々な隠し味・要素を含みながらも、それらが巧みなテクニックで溶け込み調和しています。それぞれの要素が主張し過ぎずに、互いの良さを引き立て合っています。細部のこだわりが相互に補完し合い、より美しさを際立たせます。

039_05-10_アテッサ 縦三つ目_02スマート/スタイリッシュ。規律正しい印象を受けます。落ち着きのある文字板の余白。

039_05-10_アテッサ 縦三つ目_03裏ぶたの出っ張りがなく爽快。手首に吸い付きそうな印象。

039_05-10_アテッサ 縦三つ目_04細かなパターンが精巧なイメージ。主張は激しくないが、全体を高機能で確かな時計というイメージを作りあげています。

039_05-10_アテッサ 縦三つ目_07機能表示フォント。印刷を白と銀の2 色を使い分けることで、表示に優先順位をつけています。

039_05-10_アテッサ 縦三つ目_08日本刀のような、キレの良いライン。

039_05-10_アテッサ 縦三つ目_05適度な余白。多機能な時計によくある雑多な印象がありません。時字は黒仕様で、上面に施された夜光とのコントラストをより強くしています。

039_05-10_アテッサ 縦三つ目_09時分針の中心に印刷された白いライン。多くの箇所で見られる直線的な表現が全体を構成しています。

039_05-10_アテッサ 縦三つ目_10先カンの中駒が持ち上げられ、ケースの垂直面を目立たせないよう処理されています。

039_05-10_アテッサ 縦三つ目_06アテッサの一つのスタンダードを作った面構成。仕上げの使い分けも巧みで、稜線がしっかり出ています。落ち着きのある文字板の余白。多機能な時計によくある雑多な印象がありません。時字は黒仕様で、上面に施された夜光とのコントラストをより強くしています。

039_05-10_アテッサ 縦三つ目_11縦への流れを印象づける特徴的な2 本のミラーライン。シンプルな3 列だが、ヘアラインの方向を変えて単調なものにならないよう工夫されています。

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レトロフューチャー

 70 年代、時刻表示の新しい表示方式であるデジタル表示が開発されました。それは当時、近未来時計への期待を感じさせる表示機能でした。  この時計はデジタル表示の有効性を活かし、カリキュレーター(電卓)機能を初めて腕時計に追加するという発想のもとデザインされました。  時計と電卓機能の共有化を成し遂げた国産初の腕時計は、中央に表示モニター/外周に放射状に23 個のプッシュボタンを配置するという個性的なデザインスタイルで表現されています。腕時計のケースの基本である丸形状での表現をやり遂げたことが腕時計デザイナーならではの発想だと感じます。  15 度刻みに配置されたプッシュボタンの人工的な輝き。ケースとバンドの凹凸の無いシンプルなライン。これらは従来の挽き加工によるものであり、厚みのあるケースとクールなデジタル表示の組合せは新旧技術のアンバランスなレトロフューチャー感を生み出しています。  加えてこの初期モデルは金色で統一され、外装には各部材に異なる質感を持つ金色を巧みに使い分け、派手な色調にも関わらず品のある趣を醸しだしています。  特徴のある操作ボタンのレイアウトはスタンダードとはなりませんでしたが、先陣を切ったカッコよさ、誇りを感じさせます。

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