フラッシュサーフェース フォルム

INDEPENDENT LONDON TECHNO SERIES

https://ms.citizen.jp/assets/017_02-06_インディペンデント_01

 メタルバンドの腕時計は基本的に時計本体とバンドが別部品で構成されていて意匠的には別のものということが多いのですが、本モデルは薄いメタルプレートのバンドが時計本体を覆うことで、特異な意匠を有しています。
 一枚のソリッドメタルプレートだけで構成することで一切の凹凸がないフラッシュサーフェスにより滑らかな肌触りを実現するとともに、その意匠を強調するため、外縁にはビビッドな赤いウレタン素材を途切れることなく縁取ることにより、ケースとバンドの一体感を際立たせています。
 赤いウレタン素材のアクセントは単なる意匠面だけではなく、ウレタン素材で皮膚に接触する部分を保護する機能的な意図があり、“技術と美の融合”の一つの答えを示したモデルと言えます。
 またソリッドメタルプレートの外装は、外側にテンションがかかっている状態となり、腕との間に空間を生み、いままでにない心地よい装着感とストレスを感じさせない視覚的効果を与えています。
 時刻表記においてもそれまでの平面的なデジタル表記ではなく、擬似的な立体表現を採用することで今までにない先進性を感じさせるデジタル表現を実現しています。

017_02-06_インディペンデント_02一見時計とは思えない未来的な意匠。デジタル部は平面的に見えがちだが立体的に見えるこだわりを持った配置。凹凸の少ない一体感のある形状がユーザーへのストレスを少なく感じさせています。

017_02-06_インディペンデント_03ケース、バンドなどの区別なく、全てをひとつの物体として感じさせます。

017_02-06_インディペンデント_04アナログとデジタルのコンビネーション特有の雑然とした表示にならないよう意図された意匠と配色。

017_02-06_インディペンデント_05アナログの切り分は銀色にし文字板と同化させユーザーの目がデジタルへ向かうよう配慮されています。

017_02-06_インディペンデント_06奥行きを感じさせるデジタル表示や立体的な処理をされたリングによって、平面的になりがちなデジタル表示に立体感をもたらしています。

017_02-06_インディペンデント_08腕に装着した時にユーザーにとって心地よい空間が生まれます。ケースを覆うステンレス板のサイドから裏面まで柔らかなウレタン素材を使い肌への刺激にならないように配慮し、尚かつ意匠において意図的なアクセントにしています。

017_02-06_インディペンデント_07ボタンはなるべくシンプルにし他の特徴ある意匠を引き立たせています。

017_02-06_インディペンデント_09

WATCH

CREDIT

RELATED

https://ms.citizen.jp/assets/070_10-02_カリキュレーター_01

レトロフューチャー

 70 年代、時刻表示の新しい表示方式であるデジタル表示が開発されました。それは当時、近未来時計への期待を感じさせる表示機能でした。  この時計はデジタル表示の有効性を活かし、カリキュレーター(電卓)機能を初めて腕時計に追加するという発想のもとデザインされました。  時計と電卓機能の共有化を成し遂げた国産初の腕時計は、中央に表示モニター/外周に放射状に23 個のプッシュボタンを配置するという個性的なデザインスタイルで表現されています。腕時計のケースの基本である丸形状での表現をやり遂げたことが腕時計デザイナーならではの発想だと感じます。  15 度刻みに配置されたプッシュボタンの人工的な輝き。ケースとバンドの凹凸の無いシンプルなライン。これらは従来の挽き加工によるものであり、厚みのあるケースとクールなデジタル表示の組合せは新旧技術のアンバランスなレトロフューチャー感を生み出しています。  加えてこの初期モデルは金色で統一され、外装には各部材に異なる質感を持つ金色を巧みに使い分け、派手な色調にも関わらず品のある趣を醸しだしています。  特徴のある操作ボタンのレイアウトはスタンダードとはなりませんでしたが、先陣を切ったカッコよさ、誇りを感じさせます。

https://ms.citizen.jp/assets/100_12-08_L 漆玉_01

光を感じる時計

 漆玉、ダイヤモンド、スモークガラス。それぞれの光の反射が、光源や時刻によっても違った表情を見せる奥行きのあるモデルです。ケース形状や文字板デザインがシンプルだからこそ、ディテールの美しさが映え、機械的な時ではなく、光が映し出すゆるやかな時を感じることができます。  文字板に時字はないものの、時分針は見やすく、時計としての機能を併せ持つブレスレットという印象です。  また、漆をいわゆる伝統的な見せ方ではなく、モダンなデザインで時計と融合させており、伝統技術の現代的な表現も楽しむことができます。  アシンメトリーな形状ながらも着けやすく、モダンなジュエリーを身につけているような特別感があります。

https://ms.citizen.jp/assets/099_12-07_L ムービングダイヤ_01

自然の生命

 CITIZEN L には自然の中にある形状や光にインスパイアされたデザインテーマが多く、本モデルも「朝露」がテーマになっています。  ケース上の3 粒のダイヤがケースカーブに沿ってサラサラと滑らかに動き、時字が文字板上に散るように配置されている様子が、何も知らずにこの時計を見たとしても、自然の情景を思い起こさせるようなストーリーが秘められているデザインです。  パーツを見ていくと、文字板パターンや時字の配置、りゅうず位置、ケース形状など非対称な部分が多いにも関わらず、それぞれが均整の取れた位置に収まっているため、違和感や着けづらさはありません。非対称なデザインによって、自然の生命感を思わせるリズムや動きが生まれ、画一的な時間ではなく、ゆったりとした自然の時間を感じさせます。  ダイヤモンドが多く使われておりジュエリー感のある時計ですが、時字の配置やケースとバンドの隙間の取り方に抜け感があり、普段使いも可能なデザインテイストになっています。

https://ms.citizen.jp/assets/098_12-06_エクシード ユーロス_01

最小認知要素から 装飾するプロセス

 「バンド・針・丸」これは人々が腕時計と認知できる最小構成要素です。  ◆腕時計は、バンドがあっての“腕”時計である。  ◆腕時計は、針があっての腕“時計”である。  ◆時間は、繰り返される天体の周期(丸)から   作られた。  本モデルは、この3 つの要素に焦点を当てた「腕時計」のデザインのお手本のように思います。これらの3つの要素に豪華な装飾を施すことで、他の要素との主従関係をはっきりさせています。  ユーザーが求める「腕時計らしさ」と、ユーザーが満足する「装飾品としての美しさ」を兼ね備えた、全ての腕時計のお手本ではないでしょうか。