守られている安心感

PROMASTER SUPER TOUGH

https://ms.citizen.jp/assets/059_07-04_プロマスター タフ_01

 外部の衝撃からムーブメントを保護しようと様々な工夫を凝らし、特徴的な意匠が集合した結果として、「守り」の美学が結集したとも言える時計となっています。厚く武骨なケース、パッキンを挟み込んだ別体構造のベゼル、ねじ留め、先カン等は、城壁や盾、鎧といった「防御」のイメージを連想させます。いかにもタフな印象で、どんな苛酷な環境でも耐えられるといった面持ちです。
 しかしここで面白いのは、「武骨さ」という言葉は、ユーザーにとっては「 守られている安心感」という視点に変換することも可能という点です。これだけしっかり守られているのだから、多少雑に扱っても平気だろうという安心感につながることで、気兼ねなくガシガシ使え、突き放すどころかいつも近くで使うことができる、という心理的なメリットに意匠が大きく貢献しています。
 武骨でヘビーな外観とは対照的に、ユーザーに対しては頼りがいや安心感といったソフトな利点を提供しているギャップに気づかされるモデルと言えます。

059_07-04_プロマスター タフ_02重厚感溢れる鎧のような形状のケースは迫力満点。見切り径が小さいこともあり、実寸よりも小ぶりに感じます。チタニウムの軽さも相まって、普段使いも問題なく行えるレベル。

059_07-04_プロマスター タフ_03見切り径は23 mmと小さく、実際の寸法以上に小顔な印象。ムーブメントを守るために外装が大型化した結果とも取れます。

059_07-04_プロマスター タフ_06時針は三角形、分針は長方形を基調とし、秒針先端は丸い夜光が目立ちます。それぞれの形状を変えることで視認性の向上に貢献しています。

059_07-04_プロマスター タフ_07登山服の上からでも着用できるよう、ラチェット付きのエクステンションバックルとなっています。

059_07-04_プロマスター タフ_04裏ぶたは手首側に凸がなく、凹になっています。そのギャップを埋めるようにラバー製のカバーが取り付けられており、良好な着け心地。

059_07-04_プロマスター タフ_08マイナスねじが多く、複数の部品から構成されていることを感じさせます。切削加工による複雑な一体形状も「高精度」の象徴ですが、こうした別体構造も対極的な「高精度」を感じさせます。「ショックレジストベゼル」と銘打たれた構造により、パッキンが衝撃を吸収します。そびえ立つかのような垂直な立ち上がりに迫力が感じられます。

059_07-04_プロマスター タフ_05りゅうず側面からの衝撃がムーブメントに直接伝わらないようにするためのねじロック構造。突起を少なくするための工夫でもあります。

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レトロフューチャー

 70 年代、時刻表示の新しい表示方式であるデジタル表示が開発されました。それは当時、近未来時計への期待を感じさせる表示機能でした。  この時計はデジタル表示の有効性を活かし、カリキュレーター(電卓)機能を初めて腕時計に追加するという発想のもとデザインされました。  時計と電卓機能の共有化を成し遂げた国産初の腕時計は、中央に表示モニター/外周に放射状に23 個のプッシュボタンを配置するという個性的なデザインスタイルで表現されています。腕時計のケースの基本である丸形状での表現をやり遂げたことが腕時計デザイナーならではの発想だと感じます。  15 度刻みに配置されたプッシュボタンの人工的な輝き。ケースとバンドの凹凸の無いシンプルなライン。これらは従来の挽き加工によるものであり、厚みのあるケースとクールなデジタル表示の組合せは新旧技術のアンバランスなレトロフューチャー感を生み出しています。  加えてこの初期モデルは金色で統一され、外装には各部材に異なる質感を持つ金色を巧みに使い分け、派手な色調にも関わらず品のある趣を醸しだしています。  特徴のある操作ボタンのレイアウトはスタンダードとはなりませんでしたが、先陣を切ったカッコよさ、誇りを感じさせます。

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