素材・技術の特性を活かす

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https://ms.citizen.jp/assets/040_05-11_スーパーチタニウム_01

 この時計には2 つの重要なポイントがあります。1 つはチタニウム素材であること。もう1つは文字板が金属でできていながら光で発電して動くということです。
 チタニウム素材では形状のエッジを出すことがステンレスに比べて難しく、魅力が半減してしまうことがよくありますが、有機的な形状と大胆なミラー仕上げによってその難点を克服しています。
 文字板は3つのサブダイヤルのみで光を受けて発電し動力とすることで、それ以外の部分への金属の使用を可能としました。金属文字板に独特の加工を通じて魅力をさらに高めています。
 チタニウム素材の大胆なミラー仕上げと金属特有の魅力を持つ文字板により、総合的にまとまったデザインにすることで消費者の目に届きやすいよう工夫がなされています。
 パッと消費者の目に留まり、分かりやすく魅力を伝える商品となっています。

040_05-11_スーパーチタニウム_02鏡面が美しく見えるように考えられた仕上げのバランス。

040_05-11_スーパーチタニウム_03側面でも鏡面とマットな仕上げのバランスはほぼ1:1の割合。

040_05-11_スーパーチタニウム_04鏡面とマットな仕上げをバランスよく使い分けることによって面のメリハリをつけています。

040_05-11_スーパーチタニウム_05ケース面とバンドの面構成を有機的に融合することでしなやかな面を生み出しています。

040_05-11_スーパーチタニウム_06磨く部分とマットな部分の境界をはっきりさせるために、段差を強めにつけて仕上げ工程を考えて設計されています。

040_05-11_スーパーチタニウム_09文字板に金属を使うことにより、色の再現度が高く、仕上げがより美しく見えます。特徴的な12 時の時字は見やすさを向上させています。CITIZEN ロゴ周辺のストライプの凹凸はスポーティーな印象ながらもドレッシーな印象も持ち合わせ、日常使いがしやすいデザインになっています。

040_05-11_スーパーチタニウム_07複雑でなくシンプルな記号的な時字のデザインをすることで、万人に受け入れられやすい印象。

040_05-11_スーパーチタニウム_08時/6 時/9 時のサブダイアルから受光し、発電する仕組みになっており、ソーラーセルが良く見ると透けて見えるが、数字や切り分によってセルの存在を薄めている。

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レトロフューチャー

 70 年代、時刻表示の新しい表示方式であるデジタル表示が開発されました。それは当時、近未来時計への期待を感じさせる表示機能でした。  この時計はデジタル表示の有効性を活かし、カリキュレーター(電卓)機能を初めて腕時計に追加するという発想のもとデザインされました。  時計と電卓機能の共有化を成し遂げた国産初の腕時計は、中央に表示モニター/外周に放射状に23 個のプッシュボタンを配置するという個性的なデザインスタイルで表現されています。腕時計のケースの基本である丸形状での表現をやり遂げたことが腕時計デザイナーならではの発想だと感じます。  15 度刻みに配置されたプッシュボタンの人工的な輝き。ケースとバンドの凹凸の無いシンプルなライン。これらは従来の挽き加工によるものであり、厚みのあるケースとクールなデジタル表示の組合せは新旧技術のアンバランスなレトロフューチャー感を生み出しています。  加えてこの初期モデルは金色で統一され、外装には各部材に異なる質感を持つ金色を巧みに使い分け、派手な色調にも関わらず品のある趣を醸しだしています。  特徴のある操作ボタンのレイアウトはスタンダードとはなりませんでしたが、先陣を切ったカッコよさ、誇りを感じさせます。

https://ms.citizen.jp/assets/100_12-08_L 漆玉_01

光を感じる時計

 漆玉、ダイヤモンド、スモークガラス。それぞれの光の反射が、光源や時刻によっても違った表情を見せる奥行きのあるモデルです。ケース形状や文字板デザインがシンプルだからこそ、ディテールの美しさが映え、機械的な時ではなく、光が映し出すゆるやかな時を感じることができます。  文字板に時字はないものの、時分針は見やすく、時計としての機能を併せ持つブレスレットという印象です。  また、漆をいわゆる伝統的な見せ方ではなく、モダンなデザインで時計と融合させており、伝統技術の現代的な表現も楽しむことができます。  アシンメトリーな形状ながらも着けやすく、モダンなジュエリーを身につけているような特別感があります。

https://ms.citizen.jp/assets/099_12-07_L ムービングダイヤ_01

自然の生命

 CITIZEN L には自然の中にある形状や光にインスパイアされたデザインテーマが多く、本モデルも「朝露」がテーマになっています。  ケース上の3 粒のダイヤがケースカーブに沿ってサラサラと滑らかに動き、時字が文字板上に散るように配置されている様子が、何も知らずにこの時計を見たとしても、自然の情景を思い起こさせるようなストーリーが秘められているデザインです。  パーツを見ていくと、文字板パターンや時字の配置、りゅうず位置、ケース形状など非対称な部分が多いにも関わらず、それぞれが均整の取れた位置に収まっているため、違和感や着けづらさはありません。非対称なデザインによって、自然の生命感を思わせるリズムや動きが生まれ、画一的な時間ではなく、ゆったりとした自然の時間を感じさせます。  ダイヤモンドが多く使われておりジュエリー感のある時計ですが、時字の配置やケースとバンドの隙間の取り方に抜け感があり、普段使いも可能なデザインテイストになっています。

https://ms.citizen.jp/assets/098_12-06_エクシード ユーロス_01

最小認知要素から 装飾するプロセス

 「バンド・針・丸」これは人々が腕時計と認知できる最小構成要素です。  ◆腕時計は、バンドがあっての“腕”時計である。  ◆腕時計は、針があっての腕“時計”である。  ◆時間は、繰り返される天体の周期(丸)から   作られた。  本モデルは、この3 つの要素に焦点を当てた「腕時計」のデザインのお手本のように思います。これらの3つの要素に豪華な装飾を施すことで、他の要素との主従関係をはっきりさせています。  ユーザーが求める「腕時計らしさ」と、ユーザーが満足する「装飾品としての美しさ」を兼ね備えた、全ての腕時計のお手本ではないでしょうか。