POWER IN THE GLASS

Eco-Drive VITRO

https://ms.citizen.jp/assets/021_03-03_ビトロ_01

 VITROとは、ラテン語で「ガラスの中」を意味します。この「ガラス」は完全に透明であるように見えますが、実際には我々人間には目視することのできない程の微細な線上に形成された半導体が配置されています。つまり、この「ガラス」は透明なソーラーセルなのです。
 透明性を強調するため、トランスパレントケースバックが採用されており、ケースの向こうを透かして見ることが出来ます。レディスモデルの限られた空間の中に、複数の層を構成する、挑戦的なアイディアです。
 シチズンのプロダクトにおける技術と美の結びつきは、とても密接で強力なものです。この技術と美の相関関係をよく学ぶことで、人々に驚きを与えうる、新しい何らかの表現に挑戦しようと常に試みているのがデザイナーであり、このガラスの中のソーラーセルは、前へと進む足跡の一つとなりました。そしてこの先に待つ未来を、私たちはいつも想像しています。

021_03-03_ビトロ_02Simple case and band design, that draw user's attention on the dial and the see through space. (skeleton case design)

021_03-03_ビトロ_03Bangle shape case design for ladys.

021_03-03_ビトロ_04分針はインナーケース上を通る構造。時針と分針の先端はカーブしています。

021_03-03_ビトロ_05ケースとバンドは滑らかにつながっています。

021_03-03_ビトロ_06スケルトンのケースバックから見えるムーブメントが、このモデルの透明感を際立たせています。

021_03-03_ビトロ_07スケルトン構造により、光がソーラーガラスを容易に通過します。

021_03-03_ビトロ_08この「ガラス」の中には、非常に微細な半導体が配置されており、それがソーラーセルとして機能しています。

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レトロフューチャー

 70 年代、時刻表示の新しい表示方式であるデジタル表示が開発されました。それは当時、近未来時計への期待を感じさせる表示機能でした。  この時計はデジタル表示の有効性を活かし、カリキュレーター(電卓)機能を初めて腕時計に追加するという発想のもとデザインされました。  時計と電卓機能の共有化を成し遂げた国産初の腕時計は、中央に表示モニター/外周に放射状に23 個のプッシュボタンを配置するという個性的なデザインスタイルで表現されています。腕時計のケースの基本である丸形状での表現をやり遂げたことが腕時計デザイナーならではの発想だと感じます。  15 度刻みに配置されたプッシュボタンの人工的な輝き。ケースとバンドの凹凸の無いシンプルなライン。これらは従来の挽き加工によるものであり、厚みのあるケースとクールなデジタル表示の組合せは新旧技術のアンバランスなレトロフューチャー感を生み出しています。  加えてこの初期モデルは金色で統一され、外装には各部材に異なる質感を持つ金色を巧みに使い分け、派手な色調にも関わらず品のある趣を醸しだしています。  特徴のある操作ボタンのレイアウトはスタンダードとはなりませんでしたが、先陣を切ったカッコよさ、誇りを感じさせます。

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