細縁

ANA-DIGI TEMP

https://ms.citizen.jp/assets/014_02-03_アナデジテンプ_01

 ひと目見たら忘れられないユニークなデザイン。
 当時流行りのアナデジムーブメントを搭載した本モデルは、ムーブメント形状の制約を逆手にとり、それをデザインの特徴として生かしたカタチになっています。
 アナログ、デジタル、センサー、と多機能なのにコンパクトな見た目、そして正面から見ても“薄い”と感じさせるデザイン。それは、ケースの細縁のなせる業であり、面構成やバンドの取り付け構造など、細部にわたりデザインを工夫したことにより実現できたもの。航空機のコックピットのような計器盤を意識したデザインにも関わらず、軽やかなイメージに仕上がっています。違和感を覚えそうな上下非対称の形状も、センサーや銘板の配置を工夫することでバランスよくみえます。
 今なお売れ続け、30 年以上のロングセラーモデルとなっています。

014_02-03_アナデジテンプ_02インパクトの強い多機能モデルなのに、「細縁/薄い」で均整がとれています。先カンの上にバンドを乗せることにより12 時 - 6 時方向のケースサイズもおさえることができています。

014_02-03_アナデジテンプ_03細縁にすることにより、正面からも薄さを連想させるデザインとなっています。

014_02-03_アナデジテンプ_04裏ぶた外形形状は、ムーブメント形状からきたカタチ。断面も極力厚さを抑えるように段差がついています。

014_02-03_アナデジテンプ_05見返しリングは、断面の凹凸を巧みに使い分けることによって個々の機能を際立たせています。

014_02-03_アナデジテンプ_06先カンに薄いバンドをのせることでケースとバンドの一体感が生まれました。ケースの面角の取り方、プッシュボタンガードの取り方等で細縁デザインを実現。

014_02-03_アナデジテンプ_07コックピットのような計器盤をイメージして、機能の見える化が実現。矢印でのモード切り替え、シンプルな7 セグメント表示は見やすくなっています。

WATCH

CREDIT

RELATED

https://ms.citizen.jp/assets/070_10-02_カリキュレーター_01

レトロフューチャー

 70 年代、時刻表示の新しい表示方式であるデジタル表示が開発されました。それは当時、近未来時計への期待を感じさせる表示機能でした。  この時計はデジタル表示の有効性を活かし、カリキュレーター(電卓)機能を初めて腕時計に追加するという発想のもとデザインされました。  時計と電卓機能の共有化を成し遂げた国産初の腕時計は、中央に表示モニター/外周に放射状に23 個のプッシュボタンを配置するという個性的なデザインスタイルで表現されています。腕時計のケースの基本である丸形状での表現をやり遂げたことが腕時計デザイナーならではの発想だと感じます。  15 度刻みに配置されたプッシュボタンの人工的な輝き。ケースとバンドの凹凸の無いシンプルなライン。これらは従来の挽き加工によるものであり、厚みのあるケースとクールなデジタル表示の組合せは新旧技術のアンバランスなレトロフューチャー感を生み出しています。  加えてこの初期モデルは金色で統一され、外装には各部材に異なる質感を持つ金色を巧みに使い分け、派手な色調にも関わらず品のある趣を醸しだしています。  特徴のある操作ボタンのレイアウトはスタンダードとはなりませんでしたが、先陣を切ったカッコよさ、誇りを感じさせます。

https://ms.citizen.jp/assets/100_12-08_L 漆玉_01

光を感じる時計

 漆玉、ダイヤモンド、スモークガラス。それぞれの光の反射が、光源や時刻によっても違った表情を見せる奥行きのあるモデルです。ケース形状や文字板デザインがシンプルだからこそ、ディテールの美しさが映え、機械的な時ではなく、光が映し出すゆるやかな時を感じることができます。  文字板に時字はないものの、時分針は見やすく、時計としての機能を併せ持つブレスレットという印象です。  また、漆をいわゆる伝統的な見せ方ではなく、モダンなデザインで時計と融合させており、伝統技術の現代的な表現も楽しむことができます。  アシンメトリーな形状ながらも着けやすく、モダンなジュエリーを身につけているような特別感があります。

https://ms.citizen.jp/assets/099_12-07_L ムービングダイヤ_01

自然の生命

 CITIZEN L には自然の中にある形状や光にインスパイアされたデザインテーマが多く、本モデルも「朝露」がテーマになっています。  ケース上の3 粒のダイヤがケースカーブに沿ってサラサラと滑らかに動き、時字が文字板上に散るように配置されている様子が、何も知らずにこの時計を見たとしても、自然の情景を思い起こさせるようなストーリーが秘められているデザインです。  パーツを見ていくと、文字板パターンや時字の配置、りゅうず位置、ケース形状など非対称な部分が多いにも関わらず、それぞれが均整の取れた位置に収まっているため、違和感や着けづらさはありません。非対称なデザインによって、自然の生命感を思わせるリズムや動きが生まれ、画一的な時間ではなく、ゆったりとした自然の時間を感じさせます。  ダイヤモンドが多く使われておりジュエリー感のある時計ですが、時字の配置やケースとバンドの隙間の取り方に抜け感があり、普段使いも可能なデザインテイストになっています。

https://ms.citizen.jp/assets/098_12-06_エクシード ユーロス_01

最小認知要素から 装飾するプロセス

 「バンド・針・丸」これは人々が腕時計と認知できる最小構成要素です。  ◆腕時計は、バンドがあっての“腕”時計である。  ◆腕時計は、針があっての腕“時計”である。  ◆時間は、繰り返される天体の周期(丸)から   作られた。  本モデルは、この3 つの要素に焦点を当てた「腕時計」のデザインのお手本のように思います。これらの3つの要素に豪華な装飾を施すことで、他の要素との主従関係をはっきりさせています。  ユーザーが求める「腕時計らしさ」と、ユーザーが満足する「装飾品としての美しさ」を兼ね備えた、全ての腕時計のお手本ではないでしょうか。