やさしいとけい

MU

https://ms.citizen.jp/assets/089_11-12_ミュー_01

 誰もが使いやすいという「人への寄り添い」を重視したことで、機能・ 造形の両方の側面で「やさしさ」に満ち溢れた時計です。つける人を選ばず、老若男女誰にとっても受け入れやすい。
 ユニバーサルデザインというコンセプトを打ち出しているだけあり、徹底して「視認性」と「着け心地」の二点を重視しています。エッジの存在しない丸みを帯びたケースや、 先端がぷっくりと膨らんだユニバーサルフォントはその最たる例で、文字通り人に対してのやさしさを重視した結果、外観も「やさしい」印象を受けるのが面白いところです。
 コンセプトがクリアなため、それにしたがって導き出される造形も明快。その思想は4 時位置の引き出しやすい形状のりゅうずから、爪を傷めないためのラバー製中留めカバー等々、隅々まで行き届いています。手に触れた際のテクスチャーも考慮されており、ホーニング加工されたチタニウムのさらさら感、中留めカバーのしっとり感等、手首につけて操作するプロダクトだからこそ、 五感に伝わる「やさしさ」が心地よく感じられます。

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ユニバーサルデザインを重視し、誰もが使いやすいディテールを備えた時計。徹底して「視認性」と「着け心地」という二つの要素を重視しており、その結果として生まれた外観からはやさしい印象を受けます。

089_11-12_ミュー_03白・黒・赤の3 色により高いコントラストをつけ、4 所には赤い丸点を設けることで、徹底的に視認性の向上に努めています。

089_11-12_ミュー_06ごくゆるやかなカーブが全周にわたってついており、優しく親しみやすい印象。分針との区別をしやすくするため、時針の根元には赤いプリントが施されています。

089_11-12_ミュー_07アラビア数字はこのモデルのために作られたオリジナルのもので、直線と正円の幾何学的要素と有機的な自由曲線の組合せにより、非常に判別性が高いフォントです。

089_11-12_ミュー_04ゆるやかなカーブがついており、押した時に指の腹に吸い付くような感触。赤のワンポイントカラーはこのモデルにおけるチャームポイントとも言えます。

089_11-12_ミュー_08ラグからケース側面まで滑らかにつながる面構成。全ての面がゆるやかにつながっており、エッジの立った稜線は見当たりません。りゅうず付近は爪が入りやすいように、ケース側面との隙間が確保されています。

089_11-12_ミュー_05硬めのラバー素材でできた中留めカバー。柔らかさがありながらも、ラバー特有のベタっとした感じは無くソフトなテクスチャー。爪を傷めないための役割も担っています。

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レトロフューチャー

 70 年代、時刻表示の新しい表示方式であるデジタル表示が開発されました。それは当時、近未来時計への期待を感じさせる表示機能でした。  この時計はデジタル表示の有効性を活かし、カリキュレーター(電卓)機能を初めて腕時計に追加するという発想のもとデザインされました。  時計と電卓機能の共有化を成し遂げた国産初の腕時計は、中央に表示モニター/外周に放射状に23 個のプッシュボタンを配置するという個性的なデザインスタイルで表現されています。腕時計のケースの基本である丸形状での表現をやり遂げたことが腕時計デザイナーならではの発想だと感じます。  15 度刻みに配置されたプッシュボタンの人工的な輝き。ケースとバンドの凹凸の無いシンプルなライン。これらは従来の挽き加工によるものであり、厚みのあるケースとクールなデジタル表示の組合せは新旧技術のアンバランスなレトロフューチャー感を生み出しています。  加えてこの初期モデルは金色で統一され、外装には各部材に異なる質感を持つ金色を巧みに使い分け、派手な色調にも関わらず品のある趣を醸しだしています。  特徴のある操作ボタンのレイアウトはスタンダードとはなりませんでしたが、先陣を切ったカッコよさ、誇りを感じさせます。

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