かわいらしさ

CITIZEN Caliber.K

https://ms.citizen.jp/assets/080_11-03_CITIZEN K型_01

 球面とアールで構成された形状は、優しく多くの人を魅了します。丸くて無条件にかわいい形状、シンプルで親しみやすい形状は愛着がわき、常に身近においておきたい存在となっていきます。ひとつひとつ手仕事で丁寧につくられていたことが、細部から感じることができます。
 先カンの高さや位置が若干違うところは個性。雑に扱えば壊れてしまいそうな繊細さも、逆に大事に丁寧に扱わなければ、という気持ちを芽生えさせてくれます。
 よく見ると“かわいい”と感じる形状も愛着がわくひとつの要素となっています。

080_11-03_CITIZEN K型_02シチズン初の女性向け腕時計は、当時主流のデザイン。丸くて優しいフォルムは、働く女性にも多く受け入れられた。横から見てもコロンと丸くて優しいフォルム。

080_11-03_CITIZEN K型_03先カンは細見ですが、バンドを通した際には、かわいらしいラグとなります。

080_11-03_CITIZEN K型_0412時位置のレイアウトは、文字サイズ・幅など工夫されており、6時位置の小秒針サークルとのバランスも絶妙です。

080_11-03_CITIZEN K型_05薄いりゅうずですが、径が大きいので回しやすく、アールで構成されたローレットのギザギザ感もほど良い触り心地。

080_11-03_CITIZEN K型_06ケース本体は2分割のようですが、裏ぶたも含めて段差なく、コロンと一体となっています。ボックス球面プラスチック風防もあわせて全体的に丸くやさしい感じの仕上がりです。

080_11-03_CITIZEN K型_07切分に重なる曲げの分針で、視認性はしっかり確保されています。座の部分も平らで美しい針。Cマークの立体感や、見る角度によってはハート型に見える時字も良いバランスです。

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レトロフューチャー

 70 年代、時刻表示の新しい表示方式であるデジタル表示が開発されました。それは当時、近未来時計への期待を感じさせる表示機能でした。  この時計はデジタル表示の有効性を活かし、カリキュレーター(電卓)機能を初めて腕時計に追加するという発想のもとデザインされました。  時計と電卓機能の共有化を成し遂げた国産初の腕時計は、中央に表示モニター/外周に放射状に23 個のプッシュボタンを配置するという個性的なデザインスタイルで表現されています。腕時計のケースの基本である丸形状での表現をやり遂げたことが腕時計デザイナーならではの発想だと感じます。  15 度刻みに配置されたプッシュボタンの人工的な輝き。ケースとバンドの凹凸の無いシンプルなライン。これらは従来の挽き加工によるものであり、厚みのあるケースとクールなデジタル表示の組合せは新旧技術のアンバランスなレトロフューチャー感を生み出しています。  加えてこの初期モデルは金色で統一され、外装には各部材に異なる質感を持つ金色を巧みに使い分け、派手な色調にも関わらず品のある趣を醸しだしています。  特徴のある操作ボタンのレイアウトはスタンダードとはなりませんでしたが、先陣を切ったカッコよさ、誇りを感じさせます。

https://ms.citizen.jp/assets/100_12-08_L 漆玉_01

光を感じる時計

 漆玉、ダイヤモンド、スモークガラス。それぞれの光の反射が、光源や時刻によっても違った表情を見せる奥行きのあるモデルです。ケース形状や文字板デザインがシンプルだからこそ、ディテールの美しさが映え、機械的な時ではなく、光が映し出すゆるやかな時を感じることができます。  文字板に時字はないものの、時分針は見やすく、時計としての機能を併せ持つブレスレットという印象です。  また、漆をいわゆる伝統的な見せ方ではなく、モダンなデザインで時計と融合させており、伝統技術の現代的な表現も楽しむことができます。  アシンメトリーな形状ながらも着けやすく、モダンなジュエリーを身につけているような特別感があります。

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自然の生命

 CITIZEN L には自然の中にある形状や光にインスパイアされたデザインテーマが多く、本モデルも「朝露」がテーマになっています。  ケース上の3 粒のダイヤがケースカーブに沿ってサラサラと滑らかに動き、時字が文字板上に散るように配置されている様子が、何も知らずにこの時計を見たとしても、自然の情景を思い起こさせるようなストーリーが秘められているデザインです。  パーツを見ていくと、文字板パターンや時字の配置、りゅうず位置、ケース形状など非対称な部分が多いにも関わらず、それぞれが均整の取れた位置に収まっているため、違和感や着けづらさはありません。非対称なデザインによって、自然の生命感を思わせるリズムや動きが生まれ、画一的な時間ではなく、ゆったりとした自然の時間を感じさせます。  ダイヤモンドが多く使われておりジュエリー感のある時計ですが、時字の配置やケースとバンドの隙間の取り方に抜け感があり、普段使いも可能なデザインテイストになっています。

https://ms.citizen.jp/assets/098_12-06_エクシード ユーロス_01

最小認知要素から 装飾するプロセス

 「バンド・針・丸」これは人々が腕時計と認知できる最小構成要素です。  ◆腕時計は、バンドがあっての“腕”時計である。  ◆腕時計は、針があっての腕“時計”である。  ◆時間は、繰り返される天体の周期(丸)から   作られた。  本モデルは、この3 つの要素に焦点を当てた「腕時計」のデザインのお手本のように思います。これらの3つの要素に豪華な装飾を施すことで、他の要素との主従関係をはっきりさせています。  ユーザーが求める「腕時計らしさ」と、ユーザーが満足する「装飾品としての美しさ」を兼ね備えた、全ての腕時計のお手本ではないでしょうか。