印象的なフェイス

SPORTE WIND JACK

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 ウインドサーフィンやヨット(小型艇)レースに特化したタイマー機能を持っているのがこのモデルの大きな特徴です。開発には実際にヨットレースに参加経験のあるデザイナーが携わり、より使いやすく、見やすくすることに主眼を置いています。
 デジタル表示で、レース中に最も知りたい経過“秒”を1番大きく、6 時位置に表示するようになっています。また経過時間をよりグラフィカルに、当時の自動車のパネルデザインに見られるデザインを取り込み、判別しやすさと、時代性を絶妙に取り入れた表現となっています。結果、このフェイスデザインは非常に個性的な表現となって、一目見たら忘れられない商品となりました。
 「ヨットタイマー」という新たなカテゴリーをいかに「使いやすく」、「個性的」な商品として発売するかという点において、この非常にインパクトのあるデザイン功を奏しているは間違いありません。

074_10-06_ウィンドジャック_02回転ベゼルにアルミ銘板とオーソドックスなスポーツモデルのデザインながらプッシュボタンが平行配置であるなど個性的なデザイン部分も見られます。ケース総厚の約3分の1の厚みのある回転ベゼル(3.0 mm)によってしっかりと操作が行えます。ケース本体とのバランスも絶妙です。

074_10-06_ウィンドジャック_03ベゼル銘板上の方位・角度表記と、ベゼルグリップ部の凹凸が9箇所配置の為に数字の位置と凹凸がズレている部分がある。ここは8箇所の方がまとまりが良かったのではないだろうか。

074_10-06_ウィンドジャック_06ベゼル側面は緩やかな曲線にて凹凸が設けられて、操作感と美観への配慮が感じられます。また、ベゼルの上面がガラスの上面よりも上になるように設計されており、ガラスが傷付かないようにするための配慮です。

074_10-06_ウィンドジャック_07裏蓋は4箇所ネジによる固定だが、裏蓋がたわんだ場合など防水性能に疑問がある。またネジも「+」頭のネジになっている。マスプロダクションとしては正解かも知れないが、時計の美観としてはやはり、「-」頭のネジが望ましい。

074_10-06_ウィンドジャック_04マリンスポーツ用腕時計としてウレタンという材質はふさわしいと考えます。裏面には滑り止めのためか、格子パターンが全面に施されています。ツク棒穴周辺は段差になっていますが、その部分にもパターンあり。穴周辺には面取りがあります。

074_10-06_ウィンドジャック_08方位・角度を示す数字や切分はガラス裏面に印刷されています。時間の経過が視覚的に分かりやすく、グラフィカルに表現されています。

074_10-06_ウィンドジャック_05ボタンの頭の部分には、滑り止めの凸ディテールが配されています。2 時位置のスタート・ストップボタンは赤で成形されており、残りは黒。

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レトロフューチャー

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自然の生命

 CITIZEN L には自然の中にある形状や光にインスパイアされたデザインテーマが多く、本モデルも「朝露」がテーマになっています。  ケース上の3 粒のダイヤがケースカーブに沿ってサラサラと滑らかに動き、時字が文字板上に散るように配置されている様子が、何も知らずにこの時計を見たとしても、自然の情景を思い起こさせるようなストーリーが秘められているデザインです。  パーツを見ていくと、文字板パターンや時字の配置、りゅうず位置、ケース形状など非対称な部分が多いにも関わらず、それぞれが均整の取れた位置に収まっているため、違和感や着けづらさはありません。非対称なデザインによって、自然の生命感を思わせるリズムや動きが生まれ、画一的な時間ではなく、ゆったりとした自然の時間を感じさせます。  ダイヤモンドが多く使われておりジュエリー感のある時計ですが、時字の配置やケースとバンドの隙間の取り方に抜け感があり、普段使いも可能なデザインテイストになっています。