演出力

Concept Model SATELLITE WAVE H990

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 大型ムーブメント使用時の制約を逆手に取り、大きな容積を生かした奥行きのあるダイナミックな造形によって機能を裏付けすることで、「ただならぬ存在感」を演出したモデル。
 「黒」と「緑」のコントラストで構成されたデザインは美しさと時計の機能を合わせ持ちます。
 ケースは受信感度に影響を与えないようセラミック材を使用し、めっきでは得られない平滑度の高い光沢感のある仕上げ処理が施されています。
 文字板外周をぐるりと囲む鮮やかな緑のコイルは初代電波時計のアンテナを意識したものです。ベゼルをサファイアガラス面に配置し、あたかも浮遊しているかのような表現は衛星が周回する軌道をイメージさせ、側面からも文字板緑のコイルのモチーフの形状が確認でき、あらゆる角度から見て楽しめるようデザインされています。
 時針を立体的に折り曲げ、ディスク式の針に刻まれた文字が回転する様、小さな空間に精密に組み込まれたパーツが作動し、それが正常に機能する様は都市のジオラマを腕に巻くかのようなワクワク感、ユーザーを童心に帰らせる楽しさを提供します。
 時計に興味を持つ、持たないに関わらず、思わず立ち止まって見入ってしまう。そんな演出がこの時計には込められています。

067_08-05_SATELLITE WAVE_02セラミック/ステンレス(DLC)による「黒」で構成されたパーツにビビットな緑樹脂材をポイントに配置し、宇宙空間から受信するスピード感を表現。ボリュームのあるガラスは奥行きのある文字板を包み込んでいます。

067_08-05_SATELLITE WAVE_03ケースはラグ部分と分けられています。パーツを細分化することにより、細部の仕上げを美しく表現できます。側面の緑色の樹脂の仕上げの美しさはその効果が最もよく表われています。

067_08-05_SATELLITE WAVE_04ケースラグと裏ぶたが一体になった構造。ケース本体を包み込むような表現をするためのアイデア。

067_08-05_SATELLITE WAVE_05接着技術の可能性を最大限にアピールした構造を採用。サファイアガラスに金属のベゼル部品を貼り合わせ、文字板構成部品の配置状態を側面からも確認できる斬新さ、開放感を演出しています。

067_08-05_SATELLITE WAVE_06ケース側面に施された12本の緑のラインは文字板リング(時字)へと繋がります。外部から力を受け、機能(時を知らせる)する時計であることを表現しています。文字板構成は意外と簡素ですが、型打パターン、リング状部品の造形は部品同士が重なった際の空間の演出、バランスが綿密に想定されています。針を立体的に折り曲げて奥行きと空間を表現し、ディスク状の表示針を採用する等「見えない時間を刻む表現への自由な発想」を感じさせます。

067_08-05_SATELLITE WAVE_0740mm ほどの限られたスペースの中に盛り込まれた空間、一つ一つが意味を持ち、可動する様は小さな都市のジオラマを腕にしているかのような高揚感をもたらします。厚みのあるケースに装着されるりゅうず、プッシュボタンは「繋ぎ」であるパイプのデザインディテールにも一体感のある造形が施されています。左右均等にバランス良く可動する観音開きのバックルを採用。装着時のシンプルな外観はモデルとユーザーをクールに演出します。

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