均整を取るという真理

PROMASTER NAVIHAWK

https://ms.citizen.jp/assets/016_02-05_ナビホーク_01

多機能モデルの宿命とも言えるビジーさを全く感じさせず、むしろスタイリングの糧として習熟された印象を受けるモデルです。
計算尺、3 つ目、さらに液晶3 つ(6 画面)とてんこ盛りの仕様にもかかわらず、どの角度から見ても整ったデザイン。表示の一つ一つを読み取ろうとした時に他のどの表記とも邪魔をし合いません。
アビエーションウオッチらしさを出すために味付けをするのではなく、機能表示を徹底的に美しく構成することに専念しています。逆説的なアプローチに感じられますが、コックピットの機能美や風格を表現するには、これがむしろ正攻法なのかもしれません。

016_02-05_ナビホーク_02計算尺に三つ目、液晶も3画面あるが全体が小ぶりで線が少なく、やわらかく造形されているため、がちゃがちゃした印象はさほどありません。このバランス感覚が個性。ベゼルが厚い割に重心はしっかり腕にくっついている感じがします。少ない手数で魅力的な形を創り出しています。

016_02-05_ナビホーク_03悪目立ちするところがなく、要素が整理され、美しくまとまっています。

016_02-05_ナビホーク_075 つの機能を備えた文字板ですが、装飾が無くあっさりまとめられています。それがかえって「コックピット=空の計器」という顔立ちの鍵になっています。

016_02-05_ナビホーク_08全て黒ベースに夜光印刷。遠くからでも時刻をはっきり読み取れます。

016_02-05_ナビホーク_04方位系のようなベゼル。指に良く引っかかり操作しやすく、棒状の突起も心地よく滑り止めになります。ラグは実際短いのに、ミラー面の落とし方で伸びやかに見えます。

016_02-05_ナビホーク_05バンド中央3列のミラーは、山形だが角を立てない断面形状で過不足なく輝き、厚みのあるバンドを作っています。

016_02-05_ナビホーク_064 つのボタンが最小限に収まっています。ごつさを感じさせないが軽薄さも無く、凝縮感が感じられます。

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レトロフューチャー

 70 年代、時刻表示の新しい表示方式であるデジタル表示が開発されました。それは当時、近未来時計への期待を感じさせる表示機能でした。  この時計はデジタル表示の有効性を活かし、カリキュレーター(電卓)機能を初めて腕時計に追加するという発想のもとデザインされました。  時計と電卓機能の共有化を成し遂げた国産初の腕時計は、中央に表示モニター/外周に放射状に23 個のプッシュボタンを配置するという個性的なデザインスタイルで表現されています。腕時計のケースの基本である丸形状での表現をやり遂げたことが腕時計デザイナーならではの発想だと感じます。  15 度刻みに配置されたプッシュボタンの人工的な輝き。ケースとバンドの凹凸の無いシンプルなライン。これらは従来の挽き加工によるものであり、厚みのあるケースとクールなデジタル表示の組合せは新旧技術のアンバランスなレトロフューチャー感を生み出しています。  加えてこの初期モデルは金色で統一され、外装には各部材に異なる質感を持つ金色を巧みに使い分け、派手な色調にも関わらず品のある趣を醸しだしています。  特徴のある操作ボタンのレイアウトはスタンダードとはなりませんでしたが、先陣を切ったカッコよさ、誇りを感じさせます。

https://ms.citizen.jp/assets/100_12-08_L 漆玉_01

光を感じる時計

 漆玉、ダイヤモンド、スモークガラス。それぞれの光の反射が、光源や時刻によっても違った表情を見せる奥行きのあるモデルです。ケース形状や文字板デザインがシンプルだからこそ、ディテールの美しさが映え、機械的な時ではなく、光が映し出すゆるやかな時を感じることができます。  文字板に時字はないものの、時分針は見やすく、時計としての機能を併せ持つブレスレットという印象です。  また、漆をいわゆる伝統的な見せ方ではなく、モダンなデザインで時計と融合させており、伝統技術の現代的な表現も楽しむことができます。  アシンメトリーな形状ながらも着けやすく、モダンなジュエリーを身につけているような特別感があります。

https://ms.citizen.jp/assets/099_12-07_L ムービングダイヤ_01

自然の生命

 CITIZEN L には自然の中にある形状や光にインスパイアされたデザインテーマが多く、本モデルも「朝露」がテーマになっています。  ケース上の3 粒のダイヤがケースカーブに沿ってサラサラと滑らかに動き、時字が文字板上に散るように配置されている様子が、何も知らずにこの時計を見たとしても、自然の情景を思い起こさせるようなストーリーが秘められているデザインです。  パーツを見ていくと、文字板パターンや時字の配置、りゅうず位置、ケース形状など非対称な部分が多いにも関わらず、それぞれが均整の取れた位置に収まっているため、違和感や着けづらさはありません。非対称なデザインによって、自然の生命感を思わせるリズムや動きが生まれ、画一的な時間ではなく、ゆったりとした自然の時間を感じさせます。  ダイヤモンドが多く使われておりジュエリー感のある時計ですが、時字の配置やケースとバンドの隙間の取り方に抜け感があり、普段使いも可能なデザインテイストになっています。

https://ms.citizen.jp/assets/098_12-06_エクシード ユーロス_01

最小認知要素から 装飾するプロセス

 「バンド・針・丸」これは人々が腕時計と認知できる最小構成要素です。  ◆腕時計は、バンドがあっての“腕”時計である。  ◆腕時計は、針があっての腕“時計”である。  ◆時間は、繰り返される天体の周期(丸)から   作られた。  本モデルは、この3 つの要素に焦点を当てた「腕時計」のデザインのお手本のように思います。これらの3つの要素に豪華な装飾を施すことで、他の要素との主従関係をはっきりさせています。  ユーザーが求める「腕時計らしさ」と、ユーザーが満足する「装飾品としての美しさ」を兼ね備えた、全ての腕時計のお手本ではないでしょうか。