Hisaya Enomoto

DESIGNER

https://ms.citizen.jp/assets/hisaya-enomoto
名前
榎本 久也
専門
プロダクトデザイン
地域
日本
経歴
卒業後~シチズン時計へ入社、シチズンブランド海外向けデザイン(欧州⇒アジア&中近東)、ライセンスブランド、PROMASTERを担当後、ATTESAを担当。2006年頃にOEM担当に移り多種多様なブランドのデザインを担当。その後シチズンモデルの担当に戻り、現在はアメリカを中心としたモデルの担当をしている。
趣味
車・BIKE・時計・他
https://ms.citizen.jp/assets/011_01-11_1000 m ダイバー_01

構造消化形デザイン

このダイバーズウオッチは、まず1,000mという深度に耐えられ、かつ、その過酷な環境において確実に機能が果たせるよう設計されたコアに、いかにして魅力あるデザインを与えるのかという難題に挑んだモデルと言えます。すなわち、高深度に耐えられるよう、ただでさえ肉厚にならざるを得ないケースにベゼルの誤動作防止機能を加えたことによる「重箱構造、形状」をデザインの力でいかにまとめあげるか、が大きな課題でし た。  側面から見た様子は、目付けとミラーを使うことにより、全体に視点が集中しないよう工夫され、さらに黒い部品を挟み込むことにより、分厚い塊があるようには見えません。また、ベゼル外周部を下面に広がった斜面とし、下面を逆斜面とすることにより、無骨な金属の塊に見せず、まるでサザエやイソギンチャクのような、有機生物感を与えるに至っています。ダイバーズウオッチに海洋生物風の外見を与えた、デザインが機能と融合した好例と言えます。

https://ms.citizen.jp/assets/041_05-12_海外三つ目_01

無骨なエレガンス

 無骨さの中にエレガントさを兼ね備えた、実用のための時計。ゆるぎないラインで構成された、余計な斜面など一切無いエッジの立った潔いケース・バンド形状や、ほぼ全てがヘアライン仕上げの無垢な質感から無骨さが見てとれます。  一方で、ケースの大部分を占める球面ガラスが無骨さの中に柔らかさを与え、ヘアライン仕上げの中に時折見えるミラーのキラッとした質感が、エレガントな色気を与えています。ほとんどがヘアライン仕上げですが冷たい印象ではなく、きめが細かく肌触りの良い質感と、チタニウムの持つ温かみのあるグレーの色合いも、上品でエレガント。  文字板では、大胆な大きさのアラビア数字と極太のバーインデックスが、堂々とした風格を漂わせています。一方サブダイヤルは緻密で細やかですが、見やすく、必要な所に夜光が入っていて、使う人のことを考えられています。針やインデックスは白、文字板は黒と、コントラストが高く、はっきり見やすい実用のためのデザインです。  タフでありながら大人のスーツ姿にも似合う、エレガントなプロマスターと言えます。

https://ms.citizen.jp/assets/053_06-11_キャランデュリエ_01

膨張と融合

 「時間と空間を表現するフェイスの美しさを追求」することをテーマとした時計。  リング状のフレキシブルソーラーセルを採用し、文字板の外周に配置することで、通常のエコ・ドライブ時計では不可能とされていた金属文字板を採用。これにより、金属ならではの発色・光沢・仕上げを駆使した文字板を搭載できるようになりました。  また、ムーブメントもそれを最大限に生かせるムーンフェイズ付きマルチファンクションのものを採用。その個々の機能をデフォルメ・多層化し、時と空間を表現しました。  さらに、ケースやバンドを、あえてシンプルなデザインにすることにより、文字板が複雑な構成になっているにもかかわらず、時計全体ではシックに見えるデザインにまとめ上げています。

https://ms.citizen.jp/assets/061_07-06_Eco-Drive DOME_01

多機能ムーブの抽象表現

 「光のクリーンエネルギーを身に着ける」をテーマとし、その具現化にチャレンジしたモデル。「クリーン」という抽象的テーマを表現するためにベゼル等、形状を複雑化する要素を削除。同一面の中で「形状を分割」させ、一体感のある塊の中に機能部品を同化させています。  また、クロノグラフという多機能ムーブメントを使用するにあたり、文字板の印刷表示をできる限り削除しています。その代わり、透明な成型部品の反射による形状認識を利用し、さらに蒸着処理された透明部品を層にすることにより、映りこむ形や影を作り、仕上げとばかりに浮かせた部品に印刷をのせ、光輝く空間の中に印刷を漂わせることで、テーマである「光のエネルギー」を表現しています。