要素の表現
このモデルの中心にあるものは、特殊性のある“多機能”という“要素”だと思います。
“要素”をデザインの観点からどのように表現することができたか。それがこの腕時計の持つ完成度に表れていると思います。
充電量表示を扇表示にし、その中心部を12 時時字として機能させるといった構成は特異であり、このモデルがもつ魅力のひとつです。同時に、多くの要素がお互いに干渉しあわないよう文字板、リング上にレイヤー、面構成により配置される工夫が施されています。
“スポーツ”という言葉を表層的にカタチとして表現するのではなく、使用状況を想定し必要以上に凹凸構成をしないなどといった作りこみもなされています。
メタルバンドには、連結駒にミラー仕上げの交互使いが施され、躍動感のある個性が演出されています。また、りゅうずとプッシュボタンガードを別体で仕上げ違いにすることで特徴づけ、プッシュボタンの形状とともにクロノグラフの機能を使いたくなるような仕掛けがなされています。
“機能”“スポーツ”という“要素”を本質を見据えて構成、表現したデザインが大きな魅力としてあらわれた、プロマスターらしいモデルとなっています。