安心感
当時のシチズンの精密技術の粋を集めた最高精度の時計として開発されたモデル。当時のトレンドである細いシンプルなデザインでまとめるのではなく、時字や針をしっかり主張させた抜群の視認性で、正確な時刻をいつでも確認出来るようにしてあります。 また、ケースのラグも力強くエッジと斜面で構成させ、存在感の薄いシンプルなデザインが主流の時代に、腕の上でしっかり主張するデザインになっています。 全体として高精度、高級感も併せ持ち、満足感の高い腕時計として、当時のシチズンを代表する一本です。
絶妙なバランス
当時のシチズンのクオーツクロノグラフムーブメントでは一番高機能なCal. 3510を使用した個性的なモデル。 単なる角ではなく丸でもない、何処にも直線を使っていない角丸の四角形というベストなバランスを整えるのが非常に難しいフェイスデザインに挑戦した秀作です。 ケースデザインもあえてベゼルや形状をはっきりさせるエッジなどの力を借りずに破綻無くまとめられているところにデザイナーの力量がうかがえます。 異形にも関わらず10 気圧防水を実現するために裏ぶたをねじ構造の丸い形状にし、安心して日常的に使用できます。 バンドも薄くピッチの細かいバンドにフリーアジャストバックルで、あらゆる腕の太さに対応できるようになっています。 このように、全ての要素が絶妙なバランスでまとまっており、今でも通用するような時代を超越した魅力を持ったモデルです。
用の美
1958 年、国産初の「ベルのなる腕時計」として開発され、当時の大卒初任給とほぼ同額の9,200 円だったにも関わらず、様々なバリエーションも派生し長く売れ続けたモデルです。 付加機能であるアラームを文字板中心に目安針として表現し、使い勝手の良さそうなりゅうずを特徴のある2 時と4 時に配し、機能と意匠が美しくまとめられているところがその理由だと思います。 優れたデザインというのは、このように機能を説明書を見ずしても形だけで使い方とその目的が想像出来るよう、美しくまとめられているもののことだと思います。