Takayuki Takahashi

DESIGNER

https://ms.citizen.jp/assets/takayuki-takahashi
名前
高橋 隆行
専門
プロダクトデザイン&キュレーター
地域
日本
経歴
1986年シチズン商事ライフデザインセンターに入社。開発がらみのデザインに携わりプロマスターブランド立ち上げ時に多くのモデルを手掛けた。その後中南米市場の担当になり、1997年にアメリカ市場担当として2002年まで駐在。帰国後もアメリカ市場を担当し、生産現場に近い香港でデザインをコントロールする必要があり2004年から2008年まで香港に赴任。帰国後2015年から国内市場の担当としてメンズモデルを手掛ける。2019年から現在までシチズンミュージアム館長として任に当る。
趣味
ランニングや自転車で体を動かし己の感覚を衰えさせない事。先日独立研究者の森田真生著の「数学の贈り物」を読み、感覚だけではなく日々の身近な事象にも興味を持ち深く洞察することが必要だと考えさせられた。
https://ms.citizen.jp/assets/002_01-02_クロノメーター_01

安心感

当時のシチズンの精密技術の粋を集めた最高精度の時計として開発されたモデル。当時のトレンドである細いシンプルなデザインでまとめるのではなく、時字や針をしっかり主張させた抜群の視認性で、正確な時刻をいつでも確認出来るようにしてあります。 また、ケースのラグも力強くエッジと斜面で構成させ、存在感の薄いシンプルなデザインが主流の時代に、腕の上でしっかり主張するデザインになっています。 全体として高精度、高級感も併せ持ち、満足感の高い腕時計として、当時のシチズンを代表する一本です。

https://ms.citizen.jp/assets/049_06-07_プロマスター クロノグラフ_01

絶妙なバランス

 当時のシチズンのクオーツクロノグラフムーブメントでは一番高機能なCal. 3510を使用した個性的なモデル。  単なる角ではなく丸でもない、何処にも直線を使っていない角丸の四角形というベストなバランスを整えるのが非常に難しいフェイスデザインに挑戦した秀作です。  ケースデザインもあえてベゼルや形状をはっきりさせるエッジなどの力を借りずに破綻無くまとめられているところにデザイナーの力量がうかがえます。  異形にも関わらず10 気圧防水を実現するために裏ぶたをねじ構造の丸い形状にし、安心して日常的に使用できます。  バンドも薄くピッチの細かいバンドにフリーアジャストバックルで、あらゆる腕の太さに対応できるようになっています。  このように、全ての要素が絶妙なバランスでまとまっており、今でも通用するような時代を超越した魅力を持ったモデルです。

https://ms.citizen.jp/assets/082_11-05_アラーム_01

用の美

 1958 年、国産初の「ベルのなる腕時計」として開発され、当時の大卒初任給とほぼ同額の9,200 円だったにも関わらず、様々なバリエーションも派生し長く売れ続けたモデルです。  付加機能であるアラームを文字板中心に目安針として表現し、使い勝手の良さそうなりゅうずを特徴のある2 時と4 時に配し、機能と意匠が美しくまとめられているところがその理由だと思います。  優れたデザインというのは、このように機能を説明書を見ずしても形だけで使い方とその目的が想像出来るよう、美しくまとめられているもののことだと思います。