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イノベーションの引火点
三多摩プロジェクト(仮)は、デザイン誌AXISの呼びかけから始まりました。AXISのディレクターが増刊号の取材で西武線に乗る機会が多く、改めて地図を見ると、ブリヂストン(小平)、シチズン時計(田無)、日立製作所(国分寺)の3社が多摩地域の近いエリアにあることに気づかれたそうです。地理的に近い異業種の企業が協力することで、新たなアイデアの創出や地域の課題解決につなげられるのではという目論見です。第一回はブリヂストンで開催され、第二回はシチズン時計、そして第三回では日立製作所で行われました。ちなみに、プロジェクト名は具体的な目標が決まるまでは(仮)表記としています。
精度の視覚化
新開発の機械式ムーブメントCal.0200は、傘下のManufacture La Joux-Perret S.A.(スイス ラ・ショー=ド=フォン、ラ・ジュー・ペレ社)の技術やノウハウを活かして高い審美性を実現した次世代ムーブメントです。日本とスイス、両国の時計製造文化を融合し誕生しました。センター2針スモールセコンドというクラシカルな機構は「時計の原点に則した美しい輪列を表現したい」という開発者の強い思いによるものです。設計・組立はシチズンで行い、外観の装飾はラ・ジュー・ペレ社が保有する高度で幅広い装飾技術を最大限活用するというかたちで、このムーブメントの開発はスタートしました。
100年分の情熱
2024年6月、東京都千代田区の九段ハウスにおいて、「シチズン」ブランド100周年記念イベント「THE ESSENCE OF TIME」を開催しました。「CITIZEN」を冠した最初の懐中時計をつくり上げてから100周年となるこの節目に、これまでの100年をこれからの100年につなげるべく、各部署から集められたプロジェクトメンバーによって企画が進められ、特にコンセプト立案・展示構成・コンテンツ制作などクリエイションに関わる分野についてはデザイナーがその中心的な役割を果たしました。